こんにちは。「ひとりFIRE設計室」です。
第1話でオルカンガチ勢の資産グラフにボコボコにされ、第2話で自分の将来の年金額に凍りつき、「FIRE=キラキラした憧れ」から「FIRE=生存戦略として必須」へと意識が変わりました。
そして今回。いよいよ、逃げ続けてきた「本気のFIRE計算」に突入します。
結論から言いましょう。
……地獄でした。
「よし、計算してみよう」が地獄の始まりだった
年金試算を終えた、ある日の夜。私はノートPCの前で、まるで行き遅れた夏休みの宿題をやる小学生のような気分で覚悟を決めました。
「よし、私の人生、あといくらあれば逃げ切れるのか出しちゃおう」
勢いに任せて、頼れる相談役たちに投げかけます。
私


……あ、そうか。そこからだよね。
とりあえず高めに「年500万円くらい?」と適当に入力してみました。その瞬間、画面に弾き出された数字。
——「1億円超」。
固まりました。え、ちょっと待って。私、独身だよ? 地方住みだよ? なんでパワーカップルみたいな数字が出てくるの?
でも、ここで引き下がったら一生このまま。「ちゃんと要素を分解すれば、意外と現実的になるはず……!」と自分に言い聞かせ、私は沼の深淵へと足を踏み入れました。
必要資産額の計算方法|4%ルールと日本での注意点
FIRE界隈でバイブルのように語られるのが「4%ルール」。「年間生活費の25倍の資産があれば、理論上は資産を減らさず暮らせる」という考え方です。
計算式はシンプル。
年間生活費 ÷ 0.04
たとえば生活費が400万円なら、400万 ÷ 0.04 = 1億円。
……やっぱり「億」じゃねーか!
ただしこれはアメリカの過去データを前提にした理論。日本は低成長・低金利・為替リスクもある。これをそのまま鵜呑みにするのは危険です。
しかも私は独身女性。人生のコストカーブが一般モデルと全然違います。
- 住宅ローンはいつ終わる?
- 車は何歳まで乗る?(地方民の宿命)
- 医療や介護の「おひとり様コスト」は?
「一生ずっと同じ生活費」という前提が、そもそも雑すぎました。
FIRE年齢別シミュレーション|45歳・50歳・55歳で必要資産はいくら違う?
そこで私はFIRE年齢を変えてシミュレーションしてもらいました。












質問攻め! まるで圧迫面接!
必死に数字を打ち込んで、ようやく出てきた数字がこちら。
| FIRE年齢 | 必要資産額 |
|---|---|
| 45歳 | 7,446万円 |
| 50歳 | 6,753万円 |
| 55歳 | 5,681万円 |
……あれ? 「1億」より、だいぶ低くない?
特に45歳。7,400万円台。「これ……いけるんじゃない?」という欲がむくむくと湧いてきました。
でも当然、早く辞めるほどリスクは高い。年金が出るまでの無収入期間が長いから。今すぐ自由になりたい気持ちと、老後に路頭に迷いたくない理性のせめぎ合いが始まりました。
「思ったより低い」には理由がある|年金・iDeCo・特定口座0.8掛けの話
ここで種明かし。数字が現実的に見えたのには理由があります。
まず、年金・iDeCo・小規模企業共済をキャッシュフローに組み込んでいます。「一生、全額自腹」で貯金を切り崩すわけじゃない。
- 65歳以降は公的年金がベースになる
- 60歳以降はiDeCoを解禁する
- 将来は共済の一時金を予備費に充てる
さらに、特定口座の資産は売却時の税金を考慮して保守的に評価しています。
NISAは非課税なので評価額をそのまま使えますが、特定口座は売る時に利益部分へ約20%課税されます。含み益が大きくなるほど手取りは減るので、評価額イコール使える金額とは考えないようにしています。「税金なんて忘れてた!」で詰むのが一番怖いから、ここはシビアに。
さらに生活費も、70代で車を手放し、80代で生活を縮小する前提。甘い計算どころか、むしろ石橋を叩いて渡る勢いで堅く見積もっています。
それでも45歳が魅力的に見えるのは……「数字が現実味を帯びた瞬間に、手が届くかもと期待してしまう」人間の性ですね。
生活費設計が思ったより複雑だった|FIRE1年目が一番地獄な理由
本当に吐きそうになったのは、ここから。生活費をフェーズ別に分解すると、恐ろしい事実が見えてきます。
- FIRE直後:住民税が「前年所得ベース」で激高
- 健康保険:任意継続にするか、国保にするか問題
- 住宅ローン完済まで:固定費の重さが続く
- 80代:介護費の積立が必要
特に「FIRE1年目」の税金コンボがえげつない。






冷静すぎて、逆に腹が立ってきました。
そして95歳まで設計図を引くと、数字の重みが変わります。「長生きはリスク」なんて言葉、他人事だと思ってたけど、自分で計算すると震えます。独身だからこそ、誰も助けてくれない。最後まで自分で設計図を書き切るしかないんです。
Claude先輩に計画書の穴を突かれた
ある程度まとまったところで、一番手厳しいClaudeにぶつけてみました。






来たよ、厳しいやつ。
- FIRE後は厚生年金が積み上がらないから、年金額がさらに減る
- 想定利回りがやや楽観的(もう少し下げて計算すべき)
- 45歳リタイアは暴落が来た時の安全域が薄すぎる












全AI、一致。
45歳はロマン。50歳は現実。
AI三巨頭に論破され、私の早期逃亡計画は修正を余儀なくされました。
それでも「50歳FIRE・95歳残高200万」という結論にたどり着いた
七転八倒して出した、私の最終結論。
「50歳でFIREして、95歳時点で残高200万円」
多くのFIREモデルは「資産を減らさない、死ぬ時に一番金持ち」という設計を目指します。でも、私は違います。
使い切る。
子どももいない。遺す相手もいない。だったら、自分の人生に使い切る方が合理的。
もちろん怖いです。ギリギリを攻める設計ですから。でも、雲を掴むような数字を目指して一生働き続けて疲弊するより、「合理的にリスクを管理して、1秒でも早く自由を得る」。それが、今の私が出した精一杯の答えでした。
さて、目標額は決まった。次は、その資産をどう守り、どう増やすか。
地獄の計算の次は、戦略です。ひとりFIRE設計室、いよいよ本番はここからです!
この記事のまとめ
- 4%ルールは日本にそのまま当てはまらない。フェーズ別生活費・税金・年金を組み込んだ設計が必要。
- FIRE年齢別必要資産:45歳7,446万・50歳6,753万・55歳5,681万。早いほど必要額は増える。
- 特定口座は売却時に利益部分へ約20%課税される。NISAと違い評価額をそのまま使える金額と考えないことが重要。
- FIRE1年目は住民税・健康保険料が重くなる。初年度のキャッシュフローは特に注意。
- 「50歳FIRE・95歳残高200万」という使い切る設計が、独身女性のFIREには合理的。
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次回は、目標額に向けてポートフォリオを本気で組んだ話。オルカン・S&P500・FANG+の組み合わせと、月34.4万円という積立設定の全記録をお届けします。
【免責事項】この記事は筆者個人の経験・考え方をもとにした情報提供を目的としており、特定の金融商品への投資や制度の利用を推奨するものではありません。年金・税制等の制度は改正される場合があります。実際の判断はご自身の責任のもと、必要に応じて専門家にご相談ください。




